• イヌワシの保護活動とワシ羽矢

    北海道で開催された極東会議にニコライエフ サハ共和国大統領の代理としてアレクセーエフ環境大臣が北海道に来た。極東会議の一員として私が新千歳空港に出迎えた。空港から札幌市内に向かう車の中で日本の環境、ごみ処理問題等質問があり、当時石狩町長として石狩湾新港地区の環境ゴミ処理を最先端に取り組んでいること、世界的に環境破壊は物凄いスピードで進行し、失った自然を復元するのは膨大な費用と時間がかかると伝えた。大臣にあなたは環境の専門家かと聞かれたので私は経済が専門ですが、環境保全に最も力を入れています。前職はオジロワシ・ゴールデンイーグル(イヌワシ)を飼育し、抜け落ちた羽根で弓道用矢を作り、日本弓道の普及に取り組んでました。大臣に聞いた「サハにはゴールデンイーグル、バルチャーはいますか?」大臣は「鳥は沢山います。」と答えた。札幌までの短い車中での会話でした。

    翌日、大臣からワシの保護飼育施設を見たい、弓道も見てみたいと要望がありました。その日の極東会議は北方圏の雪・氷・経済・ロシアや中国カナダ、北海道の構想と経済構築に至る幅広い討議がなされました。最終日、岩内町のオジロワシ等ワシの保護飼育施設、弓具店、弓の工場に大臣と視察しました。大臣よりワシの飼育施設をサハ共和国ヤクーツクにて取り進めてほしいとの要望がありました。しかし日本では公務員の兼職は法律で禁止されており、町長を退職しましたら検討しますと伝えました。

    1994年11月 私は収賄事件をおこし石狩町長を辞任しました。

    私は、再びイヌワシの保護育成をしたいと考えアレクセーエフ大臣に連絡しました。「ワシの保護育成をサハ共和国にて行ってほしい。大統領も了承済みです。すぐに来てほしい」と言われ、私はその準備の為ロシア語とロシア周辺の歴史を学ぶためモスクワ大学に短期留学をしました。